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和牛の厳格な品質管理の方法とは?飼養から加工まで納得の工程

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近年、私たちは肉を食べる機会が増えました。またコロナの影響で、客足が鈍ったとはいえ、肉を提供する飲食店も多くなってきて、それらが身近な存在となっています。その分、安心・安全に肉を食べることが、生産者・流通・飲食店・販売店・消費者に求められています。日本ではどのような肉の品質管理の方法を取っているか、紹介していきます。
 

品質管理の必要性

黒毛和牛は高品質な牛肉であり、多くの人々から愛され食されています。それは良質な牛肉を提供しようとする生産者や飲食店などの努力が、裏にあることを忘れてはなりません。そのような管理があってこそ消費者である私たちが、安心・安全においしく食べられるのです。
 
以下では生産者や飲食店が行っている、品質管理について紹介をいたします。
 

最近の傾向―コロナ禍にあっても・高齢者に広がる肉食

コロナ禍の中、人々の消費は全体的に減少しました。しかし一部巣ごもり需要が起こりました。実は家庭で、鍋や焼肉をするところが多かったのです。牛肉は外食では減少傾向だったものの、全体的な売り上げは増加していたのです。
 
また飲食店の中で元気だったのは、焼肉店でした。それは店内で生じる煙を排出する器機が、もともと設置されていて店内の換気が十分に行われていたからです。店内には「当店では◯分で店内の空気が入れ替わっています」という、張り紙を焼肉店ではよく見かけます。
 
また最近の傾向として、高齢者が肉を食べるようになってきたという統計もあるのです。以下にご紹介します。
 
牛肉の1日1人当たり消費量(平均値)
年代 (2011年→2017年、単位:g)
80代 9.0 → 12.1
70代 9.0 → 12.4
60代 10.7 → 13.6
50代 16.4 → 16.1
(出典:農林中金総合研究所 農中総研 調査と情報 2019.9(第74号)https://www.nochuri.co.jp/report/pdf/nri1909re1.pdf)
※2011年の70代と80代はまとめて集計。
 

最近の傾向から見る品質管理の必要性

以上ふたつの要素を紹介しました。当然ながら食べる人の人数や機会が増えることは、それだけ行き届いた管理を行わなければ、食中毒やクレームなどが多くなります。場合によっては消費者に提供できなくなる危険性があることも、意味しています。
 
過去にも狂牛病(BSE)や鳥インフルエンザ(牛とは異なりますが)の流行による、大量の家畜の殺処分が行われました。また飲食店で細菌に汚染されたユッケを提供して食中毒事件を起こし、それ以降全国の店で提供することを禁じられることもあったのです。厳しい対応をされ、そのたびに大きく報道されました。
 
前述の通り家族であるいは高齢者の方も食べるようになった肉が、安全に食べていただけるように以前よりもなお厳密な管理方法が、求められているのです。
 

品質管理の方法

牛肉に限らず食品である以上、その品質の保持と安全性の保障ができなければならないのは、当然のことでしょう。また食の安全性が怪しいものや、以前に問題を起こしたばかりの生産者からは、決して購入したくはないでしょう。そのために実際に牛肉に対して行われている、徹底した管理体制について紹介をします。
 

個体識別と個体情報の伝達

製品がどこでどのように生産され、どういった流通経路をたどっていったかなどを表す言葉として「トレーサビリティ(traceability)」があります。この言葉は20世紀末から広く使用され始めました。食品全般で見れば遺伝子組み換え・有機農業の有無、偽装表示・アレルギーなどの問題がきっかけです。食の安全や明確な食品について、情報の明示という必要性を消費者が感じたことにきっかけがあります。牛肉についても前述したBSE問題が起こってから、牛肉の扱いが変わりました。
 
「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法」により、個体識別をはっきりさせ、その追跡ができるようにしました。まず飼育されるすべての牛には10桁の識別番号がつけられた「耳標」をつけます。以後その番号によって個体データを蓄積します。流通・消費される段階でも、その個体識別番号が伝達されているのです。
 

畜産農場の衛生管理体制

肉牛を育てる時点で、衛生面や安全面を重視した管理も実現させる必要があります。この管理の方法を設定して農林水産省では、衛生基準および管理基準を定めた飼養衛生管理(農場HACCP)を、実施しているのです。
 
HACCP(Hazard Analysis Critical Control Point)の内容とは、食品原料の入荷から出荷までの工程において、あらかじめ想定される危害を予測しておきます。それを防止するために管理ポイントを定め、継続的に観察や記録を行い、異常が起こった場合はすぐにその対策を講じるといった体制を意味します。
 
そのように常に想定されるイレギュラー的事例に対する徹底的な対応をすることで、品質の保持を行っていくのです。
 

食肉の品質管理法

肉の加工が進み枝肉から部分肉、精肉と過程が進む段階ではどのような品質管理が実施されているかをまとめました。
 
加工が進むと時間がそれだけ経ちますし、手も加わるわけです。それだけ細菌などにさらされる危険性は増していきます。そのため加工をする環境や注意点も厳しくせざるをえません。また加工が進むにつれ、空気に接する肉の面積が増えてくるのも、リスクが大きくなる要因でもあります。
 
・管理温度は0~2℃である
・肉の脂肪やたんぱく質の酸化を防ぐため表面の乾燥を避ける、その方法として真空包装やラッピングを行う
・食肉の処理・加工の作業室の室温は15℃程度に維持をする
 

まとめ

牛肉は牛を育て始めるときから精肉として消費者の手に渡り、食事をするときまで高い基準での徹底された品質管理によって守られています。その基準をそれぞれの工程の管理者がしっかりと守ってくれるおかげで、私たちは牛肉をおいしくいただけるのです。そのような安心・安全で良質の牛肉を食べられるのは、幸せなことでしょう。
 
和牛ビストロ「三国家」では、高い品質の牛肉を安心できる食材として提供いたします。高品質ならではの味わい深い料理を、ぜひとも召し上がってください。
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