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蕎麦の豆知識~切ってもきれない深い関係にある蕎麦と地酒~

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蕎麦とセットで語られるのが『地酒』です。日本酒や焼酎などのお酒との相性が抜群とされている蕎麦ですが、なかでも地酒とは切ってもきれない関係性にあることをご存知でしょうか。知ることによって、これまで以上に味わいを楽しむことができるでしょう。そこで今回は、蕎麦と地酒に関する豆知識をご紹介いたします。
 

蕎麦と日本酒の関係

蕎麦と日本酒の関係性ですが、相乗効果が生まれることが深い関係になった一番の理由としてあげられます。江戸の中期頃から蕎麦屋が増えていき、庶民が食事を楽しむ場所として定着していきました。その当時からお酒を嗜む方は多く、質の善し悪しが明確にあったこともあり、少しでも質の良いお酒を飲みたいお酒が好きな方がいたわけです。
 
蕎麦屋でも日本酒を提供していたのですが、基本的には蕎麦を食べに来たついでにお酒を飲むという形でしたので、大抵の場合酔っ払うほど飲むわけではなく嗜む程度である方が多かったのです。目的が酔うことではなくお酒の味を楽しむことだったため、お酒の味や質を求めるお客が多くなり蕎麦屋も質の良いお酒を取り扱うようになっていきました。そしていつからか、良いお酒を飲むのであれば蕎麦屋に行くという鉄則が深く浸透していったのです。
 
良いお酒を飲むと蕎麦の味に関しても高い水準を求めるようになっていき、蕎麦とお酒の相乗効果によってどちらも向上していったというわけです。その関係性は途絶えることなく、現代においても変わっていません。蕎麦とお酒それぞれの味をしっかりと味わうというスタイルが確立されています。ファストフードよりの蕎麦屋は少し異なりますが、歴史のある蕎麦屋では必ずと行っていいほど日本酒を取り揃えています。
 

地酒とは

地酒という名称自体は聞いたことがあるでしょうが、実際どのようなもののことを指すのかについては意外とご存じないという方が多いのではないでしょうか。地酒とは、いわゆる日本酒のことですが、地酒の明確な定義というものは実のところありません。広い意味で日本酒の一種とされており、地域に根づいた品種のことを指すというのが一般的となっています。
 
地酒の最大の特徴は、その地域ごとの特色が出るという点が挙げられます。基本的にその土地の文化に基づいて、地域の材料をベースに使用されることが多いため、他の日本酒にはない独自の味わいが特徴でしょう。非常に個性的で、1970年ごろには地酒ブームが巻き起こったこともあり、数多くの銘酒と呼ばれる地酒が誕生しました。
 
地酒の中にもいくつかの種類がありますが、主に以下のように分けられています。
 

純米酒

米と米麹だけで作られた非常にシンプルな構成の地酒です。醸造アルコールを一切使用していないため、お米の持つ甘みや味わいを存分に味わうことが可能です。
 

吟醸酒

醸造アルコールを使用した地酒です。精米歩合が60%以下であるというのが条件となります。特徴としては、フルーティな香りが挙げられます。大吟醸酒というものもありますが、こちらは精米歩合が50%以下のものとなるでしょう。
 

本醸造酒

吟醸酒と同じく醸造アルコールを使用している地酒です。精米歩合が70%以下であることが条件となっており、香りは控えめであるものの、スッキリとした辛口という特徴があります。
 

地域ごとの特徴

地酒はその地域の特色が味に表れるという点が最大の特徴です。銘柄によっても違いがあるため一概には言えない部分はありますが、地域ごとの地酒の特徴としては以下のとおりです。
 

北海道・東北

北海道は地酒づくりの歴史としてはまだそこまで深くはない方ですが、東北に関しては米作りが盛んであるということもあり、地酒にも昔から注力している地域となります。味の特徴としては、北海道や秋田、宮城、山形、福島に関しては淡麗辛口です。青森と岩手に関しては淡麗甘口となっており、熱燗にすることでより味わいが深まります。
 

関東・中部

関東は地域の特徴としてあまり蔵元には向かない地域となりますが、水源が豊富であるため高品質な地酒が多い印象です。東京、栃木、群馬に関しては淡麗甘口となり、それ以外に関しては淡麗辛口が多い傾向にあります。中部に関しては新潟や長野など、地酒づくりに適している採光の地域ということもあり地酒も豊富です。濃醇の甘口と辛口が多いでしょう。
 

近畿・中国

近畿といえば、男酒と女酒と呼ばれる日本を代表する二大銘醸地がある地域として有名です。男酒は、兵庫県灘地区で作られている豊潤辛口が特徴的な地酒です。女酒は、口当たりの良いまろやかさが特徴となる京都伏見で作られている地酒となります。濃醇甘口が多いものの、大阪に関しては濃い味付けと合う淡麗辛口の地酒となります。中国といえば、有名な銘柄である『獺祭』の山口県をはじめ、口当たりの良い甘口の地酒が多いでしょう。
 

四国・九州・沖縄

四国は四万十川の水質を生かした地酒があり、高知では辛口、それ以外は甘口が好まれています。九州に関しては地酒の蔵元として適した環境となっており、高品質な地酒が多いでしょう。福岡と沖縄の主流は淡麗辛口ですが、それ以外に関しては甘口となっています。
 

蕎麦と地酒の楽しみ方

蕎麦と地酒の楽しみ方ですが、単に蕎麦を食べながら地酒をのむというだけではありません。蕎麦屋ですと、さまざまな一品料理が用意されておりますので、それらをコースのように順序立てて楽しむというのがおすすめです。具体的には以下のような流れとなります。
 
●板わさなどのすぐ出てくるあっさり系の一品を楽しむ
●だし巻き卵を味わう
●天ぷらなどの脂分多めの一品を楽しむ
●蕎麦を存分に味わう
●最後に蕎麦湯で締める
 
一品料理はどれも地酒のつまみとして優秀なものばかりです。つまみを味わいながら徐々に蕎麦に向けてステップアップしていき、最後に蕎麦を存分に味わったあとに蕎麦湯でしっかりと締めるというのが王道です。蕎麦湯には蕎麦の栄養素がたっぷりと含まれていますので、飲むことで二日酔いの防止効果にも期待ができるでしょう。
 

まとめ

地酒と蕎麦について理解するだけで、さらに味わいを深く感じることが可能となります。石臼挽蕎麦「三国家」では、素材にこだわり抜いた蕎麦はもちろんのこと、良質な地酒もご用意しております。蕎麦と地酒を心ゆくまで楽しみたいという方はぜひお越しください。
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